つたえ隊Vol.14 Party Pet Pau`ole (パーティーペットパウオレ) 井上梨恵さん

 

Party Pet Pauo'leにて

教室の先生や

教室に関わる人物を紹介する

「つたえ隊」。

 

第14回目は、ペットトリミングサロンでワークショップの開催をしている

Party Pet Pauo'le(パーティーペットパウオレ)

井上梨恵さん。

明るく社交的な彼女は、笑顔を絶やさない。
目の前のペットと向き合い、時に厳しく、時に微笑みながら、優しく褒める。

親が自分の子を愛しく思い、その生活の質を追求するように、梨恵さんはよりよく生きるペットの未来をしっかりと見据えている。
正しい知識の啓蒙の先に広がる未来に向かい、地道な歩みを着実に続けている梨恵さん。

「トリマーはお手入れだけでなく、いろんな気づきを伝える仕事かもしれません」

そんな彼女と「ならいごと」との関わりについて聞いてみた。

 

 

 

小さい頃から動物が好き

 

ムツゴロウさんを尊敬

小学生の頃、自分が飼いたくてペットを飼っていたんですが、それはムツゴロウ(本名:畑正憲)さんの影響。ムツゴロウさんが好き過ぎて、北海道にまで会いに行きましたね。中標津(なかしべつ)にあるムツゴロウ動物王国のツアーがあり、それに小学校6年生の時に、ひとりで参加しました。少ししか会えなかったんですけど、ムツゴロウさんの動物との接し方や、勉強熱心なところが大好きでした。

小さい頃から動物が大好きでした。絵本代わりに動物辞典を広げて(笑)。その頃から動物に関わる仕事がしたいと思っていました。

 

 

 

トリマーという職業はマイナーだった

 

トリマーはマイナーな時代

今でこそ、獣医やトリミング、ペットショップ等、動物に関わる仕事はすぐに思い浮かびますが、当時は動物に関わる仕事がどういうものかという情報は少なかったですね。

高校で進路相談になった時、ペット関係の仕事に就くという前例がなくて、先生には「自分で調べなさい」と言われました(笑)。動物=獣医ということで、動物病院の看護師を調べていたんですが、知り合いのペットショップの方の話を聞き、初めてトリマーという職業を知りました。「トリマーは看護のことも、しつけのことも、ペットに関わる全てを勉強するんですよ。手に職も付く仕事です。」と教えてもらいました。これだと思い、専門学校に進学しました。

 

 

 

何もかもが楽しかった専門学校

 

好奇心が止まらない

毎日動物のことを勉強するので、専門学校が楽しくて仕方ありませんでした。興味津々で、全てが新鮮。訓練犬に噛まれる役も立候補したり、何でも率先してやっていましたね。好きなことが仕事になることは、幸せなことでした。

 

フィフィはトリミングをする犬として、試験を受けるために飼い始めました。今年の4月でもう14歳(人間でいうと70歳)です。初めは神経質で、当時はまだ意思疎通もままならない状態でした。そんなフィフィとの出会いは、専門学校での私のモチベーションをさらに高めてくれました。

(↓フィフィ)

相棒フィフィ

 

 

トリマーとしての役割

トリミング

ペットがなぜ病気になるのかを追究していくと、食生活が原因の多くだと気が付きます。ペットは四つの足で地面に近いところで生活し、重金属や排気ガス、除草剤を吸い込んでだり等、危険な要素が住環境の中にたくさんあります。食生活や環境を改善し、トータルでペットの生活をサポートすることも、トリマーの仕事だと私は思っています。ペットの食生活を見直すことは、結果的に飼い主家族全体の食生活の見直しにもなるんですよ。

現在のペット達は 、4割が老犬、シニア犬世代という状態で、犬も高齢社会です。介護が必要な老犬、飼い主に先立れた犬、飼い主の長期入院で置き去りになった犬…、ペット業界は新しい問題に直面しています。死亡原因も老衰より病死が多く、どうしたら老衰で最期まで全うできるかを、私は追究しています。トリマーは、お手入れで肌質を見たり、シャンプーして全身を触るので、病気を見つけやすい環境で仕事をしています。病気になる前の小さなサインを早期発見し、治療こそできませんが、異常を飼い主さんに報告することも、トリマーの役割かもしれません。

 

 

 

ペットアロマ

 

ペットアロマ

ペットも人間と同じように、生活の質を求める時代。ペットのアロマテラピーを提案をしているのは、病気には薬、症状を抑えるといった西洋医学的な対処療法よりも、東洋医学の考え、症状の根本に働きかけるやり方が、私にはしっくりくるからかもしれませんね。

ペットは人間よりも自然界に近いので、その子たちの自然治癒力を高めたいと思い、私はペットアロマを提案しています。アロマテラピーは自然由来で自然界にあるものからできているので、もっと生活に取り入れていいものだと私は思っています。ペットは私達にとっては良き理解者。その理解者のために、私達もペットをより理解することは、お互いのためでもありますよね。

 

 

 

正しい知識を広めたい

正しい知識を広めたい

食事の選び方やドッグフードの現状、手作り食についても、正しい知識を広めていきたいです。添加物を一切取らずに生きていくことは、ペットも人間もできないと思いますが、そういったものを体から排出する習慣をつけることや、食に対する正しい知識を持つことがとても重要ですね。飼い主が良かれと思ってペットにしたことが、結果病気につながることもあるので、正しい知識を伝えていきたいです。ここはシャンプーとカットのために月に1回連れてくる場所ではなく、相談所として気軽に立ち寄れる場所だと、みなさん思っていただきたいですね。

例えば生後6か月までの社会化期がペットの性格に大きく影響するという話がありますが、生まれたばかりで予防接種をしていないから外に出してはいけない、ということはありません。逆に外に慣れていないペットの場合、トリミング自体が大きなストレスになることがあります。そうなってしまうと、お手入れもできないし、預けることもできなくなり、結果飼い主にもストレスになってしまいます。むしろ社会性を持たせるために気を付けて連れ出すことも、時には必要なんですよ。

 

 

 

駆け込み寺としていろいろ聞いてください

 

何でも聞いてください

最期が壮絶だった子を看取った飼い主や、看取ることができなかった後悔から、自責し続ける飼い主さんは、ペットロスになってしまう方が多いです。そういった方たちがまたペットを迎えたい、これから家族として新たにペットを迎えたいと思ってもらえるよう、ペットとの生活は人生を豊かにするということを伝えていきたいです。

ペットがいるから何かができないとストレスを感じるのではなく、そういった時に私たちを上手に頼ることで、飼い主にはペットとの生活を楽しんで欲しいと思っています。いまさら聞けないと思っていることも、どんどん聞いてください。飼う時には、ペットショップでとても細かいところまで説明があるのですが、実際その子にとって何がいいのかを判断するのは難しいですよね。判断に困ったら、ペットのためにどんどん確認に来てほしいですね。