国際エステティック専門学院AMC静岡校

 

 

kaiさん

教室の先生や

教室に関わる人物を紹介する

「つたえ隊」。

 

第8回目は、エステシャンや福祉皮膚美容士の育成をする

国際エステティック専門学院AMC静岡校

田中佑佳 さん。

聞き取りやすい声で、質問に対して的確な答えをくれる
佑佳さん。目の前の人をやさしく見つめ、その性格に合わせた話題や話をちりばめる。
人に対する思いやりがあり、心をていねいに推し量れる佑 佳さんは、あたたかな温度のある会話を忘れない。

「人を傷付けることは自分を傷付けること。人を癒すことは自分を癒すことにもつながりますね。(佑佳さん)」
ブレずに生きる彼女と「ならいごと」との関わりについて聞いてみた。

 

 

 

 

「美」に就く


踊りが大好きな少女

美容部員だった母親の影響で、美容系の職業に就くと小学生のうちから決めていた佑佳さん。
「母親が綺麗になる姿を一番近くで見ていたから、エステには小さい頃から馴染んでいました。私は必要に駆られ、日焼け対策をする程度(笑)。思春期の高校時代は、目のメイクだけ。若いうちからファンデーションを塗ってしまうと、肌が汚れると思ってましたから。」

 しかし、進路相談前に「美からいったん離れてみたら?」と、母親から助言を受け、一時は建築デザインの専門学校進学を模索したという。
「自分の肌の手入れでは満足しないの?と母に言われて。手に職を付ける意味で、専門学校の見学まで行ってみたんです。父親が不動産関係で、高校の住居の授業でやったことが楽しかったのもあって、建築デザインの専門学校へ。でも、働きながら勉強した方が役立つと思ったんです。やはり美容、エステ!と、元の道に戻り、就職することにしました。」
内定をもらった17歳、高三の三学期にはもう、今の職場のサロンでアルバイトを始めていたという。

 

 



成長が実感できる世界

 

エステティシャンは営業もクレーム対応も何でも必要。

電話対応も接客も初めて。
「先輩はみんな開店と同時に接客。できることはお茶出しや、先輩が使うものの準備、洗い物だけでした。電話対応を教わっても電話に出られなかったり…技術を教わったのは入社1か月後でしたね。見て感じて、覚える。どこか料理人の修行のようでした。」

 

サロンで施術するようになると、
「新人の私がやっても、肌はこんなに変わるんだ!と感動しっぱなし。講師業に専念するまで、毎日ずっと新鮮な感動がありました。お客さんの肌の状態が良くなって効果が定着し、結果に満足して笑顔になっていく…その笑顔が目的だったから、それがとても嬉しくて。施術後の肌のめざましい変化を目の当たりにできるのも、美の仕事ならではのやりがいでした。」 

話し方はお客さんから現場で教わり、フロントラインに立って接客を磨いた新人時代。そうこうしているうちに、美容にはすべての業種が関わっていることが分かったという。
「誰も介さず、目の前の人を接客する最前線にいるからこそ、年々強くなっていく自分がいました。営業力やクレーム対応等々、いろんなスキルが身に付くから。技術の提供だけではない面白さは入社して5年くらいで実感しましたね。」

 

 




教えることも人と関わること、接客のひとつ


壁に当たった絶望期もあった

サロン店長と講師の二足のわらじを履き、せわしなく動いていたころは「顔がキツイ」と言われたそうだが、サロンを卒業し講師となった今、「優しくなったと言われます(笑)。時間に余裕ができて、考える時間が取れるようになった結果、ゆとりをもって仕事ができています。教えることも人と関わること、接客のひとつ。サロンに立っている時と同じスタンスですね。」
と、充実した現在について語ってくれた。

「福祉皮膚美容士のカリキュラムができ、エステティシャン養成以外の一般の方と関われるようになったので、言葉だけでなく触れることでもコミュニケ―ションが取れることを積極的に伝えています。生徒さんも喜び、相手の方も喜ぶ。その輪が広がってほしいですね。人に触れて楽にしてあげたいと思ってくれると、なお嬉しいです。何か美容っていいよね!と思ってもらうのが一番。」

 

 



受け止めて、ブレイクする

いったん飲み込む ブレイクする

終始笑顔で取材に応じる佑佳さんに、「怒ることはあるのか」という質問をぶつけてみた。

「大切な人を傷付けられるという本質的ところに障ると、さすがに怒りますけど、周りからは、怒ることないでしょ?その姿がイメージできない、と言われます。怒ったことになっていないし、見えないし、感じないよって(笑)。怒るということに対しての沸点が高いのかもしれませんね。」

ひとつの心掛けが、彼女をそうさせている。若いころに発した言葉で、深く相手を傷付けてしまったことがあると教えてくれた。
「思ったことをすぐに口にしないようにしています。毒舌まではいかないですが、キツイ言葉を発していたようで、家族に言われたんです。私が言った言葉であの子が傷付いていたよと、親友に教えてもらったこともありました。汚い言葉やストレートな表現は、相手を深く傷付けてしまいます。もしもイラっとすることがあっても、1回ブレイク。そういう考えもあるんだと捉えて、待つんです。怒った状態で言われたことは真に受けないようにして、ブレイク。それから考えて言葉を発しても、決して遅くないと思うんですよね。」 

人を傷付けることは自分を傷付けること。聞く耳を持つことは、自分への思いやり、相手への愛。すぐに答えることだけが正解ではないし、心に思った内容を飲み込むことも、相手への思いやりだ。

 

 

 


自分なりの授業


人が好き 人と関わるのが好き

資格を取ることも目的のひとつ。その前に、人と人との関わりを持つ意味を知ることから全てが始まる。
祐佳さんはこのことを大切にしているからこそ、生徒の年代で話す内容を変えても、人を喜ばせることの意味だけは変わらず伝え続けている。授業初日の生徒でも、勉強しに来て時間が長く経っている生徒にでも、それは全く変わらない。

「授業中に暗い顔をしている生徒さんがいたら、コミュニケーション不足だったかなと気になってしまいます。放っておけない性格なので、すぐに話しかけます。何かを得て帰ってもらいたいし、日数を無駄にしてほしくないから。その人も自分の立場を考えて、自分ができることから始めるために、ここに学びに来てると思いますから。」

 明るくて前向きな彼女には、家族や友人、生徒や同僚までをも惹きつける柔らかさもある。お花畑の真ん中にいるメアリーポピンズのように、今日も朗らかな授業をしていることだろう。