つたえ隊vol.3ミズリン竹田倫子先生

 

 

倫子先生

教室の先生や

教室に関わる人物を紹介する

「つたえ隊」。

 

第3回目は、ヨガと、女性のためのタイ式トータルサポートを教えている

ミズリン

竹田倫子(たけだのりこ)さん。

やわらかい言葉を使い、ゆったりと流れる水のように、緩やかな口調で話す倫子さん。
彼女の発する言葉にはしっかりと意思や芯が通っている。相手に押し付けることもなく、強いることも彼女はしない。その生き方は、ヨガそのもの。
自分に合った自分の方法で、彼女は歩み、生きている。
ほんとうの強さを兼ね備えた女性とは、そういうものなのかもしれない。

「何々しなければならないという考えから自分を解放すること。そこからすべては始まります(倫子さん)」
そんな彼女と「ならいごと」との関わりについて聞いてみた。

 

 

 

「ならいごと」から始まった人の縁


人の縁

「ヨガの資格をいただいたYOU先生も、一緒にバレエを習っていた間柄なんですよ。」小学校の頃も編み物を習っていたり、常に何かしら動いていて止まっていなかったというが、バレエならバレエピアノならピアノと…目の前のものに打ち込み、将来を明確に想像することは、特になかったという倫子先生。

「仕事もそうですが、それが好きだからというより、周りの方たちが魅力的で続いていました。子供たちは私の習った先生にバレエを教わっていて、孫みたいに可愛がってくれているんですよ」と、その縁を噛みしめながら話してくれた。

「ピアノの先生は、社会生活や社会経験みたいなところまで教えてくれました。就職する時の御礼文の書き方や、パーティ用ドレスのコーディネイト等、ピアノ以外のことも。先生をやめた今でも、仲良くお付き合いさせていただいております。」

透き通るような目から素直さが伝わってくる彼女だからこそ、縁が縁を呼び、人と人がつながっていくのだろう。

 

 


ヨガとの出会い

 

ヨガとの出会い

出産を控えたマタニティの時に初めて出会い、バレエをともに習ったYOU先生と一緒に始めたのが、ヨガだった。

「マタニティヨガがとても気持ち良くて。妊娠中はいつもと違う体型なので、ついつい体を大事にしがちですが、割と動かしたり、刺激を与えてもいいんだ、ということを知りました。でもやっぱり、先生や来ている方達が魅力的だったというのが続いた理由かもしれません(笑)。」

はじめの教わり方で、印象が決まるというが、倫子先生が習った先生は、懐の深い教え方、自由な発想のヨガを実践する方で、寝てしまっても敢えて起こさなかったり、気持ちのいいところでひと休みしましょう、と、「肯定感を感じる先生」だったという。

良き出会いは、彼女自身の魅力が引き寄せた結果。その後、バレエ仲間のYOU先生からヨガを伝えるきっかけをいただき、Tulsiヨガススタジオ主宰シャルマ氏、ゼントラヨガスタジオTTCを修了し、伝える側となっても自分自身を探求し続けている。

 

 


体の声を聴くこと 本来の体の動きに戻すこと


体の声を聴くこと

ヨガを教える先生は、基礎体温が高く、風邪を引きにくいという印象がある。ヨガに関わることで、体に意識を向けやすくなり、体の変化やサインである体の声に敏感になるためだと言われている。

「免疫器官を強化するヨガのポーズを実践したり、鼻呼吸をしている時間が長いからか、風邪を引きにくいのかも。口は消化器官で、鼻は呼吸器官。それぞれを本来の体の動きに戻し、体が正常に動くようにすることが、ヨガなのかもしれませんね。」

体を動かし、体を感じる。ヨガは、自分の体の言葉に耳を傾けるところから全てが始まると、倫子先生は話す。
体の声、心の声を聴き、心の平静を保つ。その経路を実践するのがヨガ。しなやかな語調だが、説得力のあるトーンで彼女は語った。

「~しなければならないと自分で制限している人に、そうでなくてもいいということが伝わり、気持ちが楽になるといいなと思っています。そういう真面目な方は、思いもよらないところに力が入っているので、体を緩めることが心を緩める近道かもしれません。」

体の声を聴き、力みのないリラックスした彼女の状態がその声色からも伝わってくる。
冷静に心の動きを捉えることができれば、その心の動きに振り回されることはなくなるという。

 



心に支配されない

心に支配されない

冷静に心を捉えると「今私、ちょっと怒っているな」「暑がっているな」等、体の状態も把握できるようになる。

「心は、移ろい変わりゆく厄介なもの。ヨガは、心の動きを客観視する練習もします。本当の自分はマインドでも肉体でもなくもっと奥深いところにあります。それを探していくのがヨガなのかもしれません。」

心は本質ではなく、その人自身のもっと奥底にあり、その手前で心がいろんな事象を起こしている。そう捉えた方が、なるほど気が楽になる。

「体の緊張は心?もしかしたら頭から来ているかもしれません。いろんなところに心が飛んでいると、体は機能がストップしてしまうので、頭をいったん休め、体に目を向けてほしいです。ヨガの深い呼吸はPlana(プラーナ:気や生命力エネルギー)を取り込むためにすることです。気の流れを呼吸で整え、体の中の不要なものを呼吸で外に出すイメージ。持っている体を使ってあげること、持っている呼吸を使ってあげることです。」

 彼女の中庸的なスタンスや、平静で優しいその語調は、“伝えること”が、あらかじめ使命として決定づけられていたような感覚さえ抱く。
彼女自身が心に支配されずに本質を見つめ続けているからこそ、そのスタンスが保たれているのかもしれない。

―難しいことをやるわけではなく、ヨガは生き方―

彼女が発したメッセージ。
取材を終え、 ヨガを身近に感じることができた。