教室の先生や
教室に関わる人物を紹介する
「つたえ隊」。
第2回目は、フラワーをはじめ、女性を応援する講座を数多く手掛けている
並木美紀(なみきみき)さん。
彼女が発する言葉や話は“ポジティブ”。
他の人がマイナスに捉えがちな出来事が自分に起こっても、美紀さんにはそれをさらりと笑いに変えてしまえる強さがある。
そして、心から笑える純粋さや相手を受け容れる寛容さ、意見を受け入れる素直さがあるからこそ、彼女の笑顔が周りのマイナスをどんどんプラスに流していっているように感じる。
「来た時よりも笑顔になってこのドアを開けてもらいたいんです(美紀さん)」そんな彼女と「ならいごと」との関わりについて聞いてみた。
お花は常に飾ってある ”当たり前” の存在
小学校の頃の夢は、エレクトーンの先生とお花屋さん。
「実家が事業所で、お花は常に飾ってあるか植えてあるかという“当たり前”の存在。花好きの母の影響もありますが、私は特別お花が大好きでもなかったんです(美紀さん )。」
花を飾ることは、「心のゆとり」や「自分以外の存在を慈しむ心」があることだが、
明るい家庭に育った美紀さんのそばには、空気のような存在として花があったというが、それが彼女の楽しい人格を作ったと言える。
こだわりに固執しない
音楽の道に進むと信じてエレクトーンに打ち込み、専門学校をいざ卒業!となった就職面談で、大どんでん返しが起こった。
「母に実家の会社を手伝わせますなんて、いきなり言われて。クルマ買ってあげるって言われて“あ…はい!”って答えちゃいました。結局実家の設備会社に就職。どんなクルマだったかも覚えてませんし、買ってもらっても“あぁ動くねぇ”くらいの感動でした(笑)。」
思ったことに即座に心を切り替えられる彼女の素直さやフットワークの軽さは、周りのマイナス要素に影響されない秘訣でもある。
カラダからの無言のSOSが導いてくれた「ならいごと」と「恩師」
家では家事に子育て、職場では仕事と、休む間もなく、徐々に首が回らない状態になっていったという美紀さん。
「“のん気”だから、ストレスに気付かなかったのかな。会社で二回倒れて、病院に行ったら、”仕事を辞めるか手術しないと治らないよ”と言われる状態でした。少し前から、違和感を感じてはいましたが、“疲れてる?私、癒されたい?”なんて軽く考えていた矢先でした。」
術後にできた、自分の時間。
何かを始めれば、気も晴れて、病気もいい方向に向かう。そう思い何となく検索して行き着いたのが、「プリザーブドフラワー」だった。
出逢い、巡り合い
「枯れないお花というフレーズが飛び込んできました。1回買って何回使えるんだろう、超お得!とりあえず通ってみようということになり、そこで出会った先生とフィーリングが合ったんです。明るいけれど芯の強い女性でした。その先生が好きになり、その場で入会して通うことにしました。その先生とは今でも交流があって、毎月1回会っているんですよ。」
今ではその先生が、美紀さんの企画する美文字講座に生徒として参加しているのだから、人の縁とはなんと不思議なものだろう。「恩師と呼べる人がいるとしたら、私にはこの先生ですね」と、彼女は優しい目で語った。
人と向き合う、人を癒す、人を励ますとは
人が誰かから何かを学ぶとき、先生と生徒という上下の構図が思い浮かぶが、美紀さんは「逆に生徒さんに学ばせてもらってます」と語る。
「生徒さんが何気なく発した言葉も、とても勉強になります。なかなか帰らない生徒さんがいて、おかしいなと思って待ってたら、重い悩みを打ち明けてくれました。それに私はなんて答えればいいのかと向き合ったり、その勉強をしたり…生徒さんから学ぶことは多いです。」
教えるという意識よりも、教わるというスタンスこそ、その立場やその人自身への理解を深めるが、美紀さんのこのような柔軟なスタンも、生徒にとっては“敷居を超えた癒し”であろう。
楽しいことが一番大事なモチベーション
「資格を取得して仕事にしたい生徒さんもいらっしゃいます。世の中に起業支援の講座はたくさんありますが、男性講師が収支の計算や方法、メンタルを教えるという画一的な内容で、その人に合わせた講座はありません。男性の目線や感覚で起業のいろはを教わった私は違和感を感じましたし、女の人が起業するにはまず、“楽しい”が先立たないと。女性の支援は女性がすべきだと思いました。“つらい・キツい”は男が背負うから、君は好きにやりなさい“と、うちの主人も言ってくれて、まさにその通りだと思います。」
幸せな人間のそばには良き理解者がいて、周りに感謝しているから仕事が回る、という話をよく聞くが、それは自分が発したものが自分に戻ってくるという引き寄せの法則。プラスを発すればプラスが寄ってきて、笑っていれば、笑顔が集まるというわけだ。
「うちは家族でミュージカル状態(笑)。私が行き倒れながら、今日は焼きそばしか作れないかもしれない…もしかしたら片づけもできないかも…ってやっていると、子どもが反応したりね(笑)。」
主婦として、妻として、女性として、代表として…家族の中心にいる彼女が明るいから、家庭も講座もあたたかい。
”その人目線” になること
世の中にはいろんな人がいて、人それぞれ思うことも違えば、性格も異なる。ブログも「共感を得たいタイプや、宣伝が向くタイプ等、その人に合った書き方がある」と美紀さんは話す。それは講座においても同じ。
bonnechanceが主催する講座は実に多種多様で、その背景には彼女の思いが込められている。
「仕事が家庭かどちらかではなく、主婦である私自身、諦めずにバランス良くふたつを両立してきました。バレーボールをやっていたので“諦めずに追え!”というのが体全体、細胞ひとつひとつに入っていて、二兎を追っていました(笑)。主婦が諦める夢はたくさんありますが、諦めても夢は逃げません。諦めない女性を応援したいんです。」
ここは間口が広く、気軽に立ち寄る感覚の講座も用意されているのが特徴だ。
経験こそが資格
「やってみたいけど習えない人のための講座や、思い出した時にササッと実行できるような講座、講師の人がやりがいを感じるような講座があってもいいと思います。資格がないのですが、と、講師の方から相談を受けたりしますが、大切なのは経験と気持ち。資格が無ければ作ればいい。経験こそが資格だと思います。資格はあくまで基本を知るための術で、運転免許と同じですから。」
―まずは目の前のひとりを楽にするところから―
シンプルだが、彼女の原点はここにある。