スペシャリストインタビューVol.38 フリーアナウンサー平山佐知子さん


透き通った目に、クリアな声。理知的な性格。
清楚という言葉ひとつでは足りない程の透明感を彼女から感じる。
ものごとに固執することなく、柔軟なスタンスを持っているが、流されない「核」を持ったこの女性には、風にそよぐ稲穂のような「しなやかな美しさ」がある。
内面を映すかのような彼女の声色は、優しくも強い。聞く人の胸にスッと入ってくるような混じり気の無い声は、言葉には言霊があることを理解する彼女なればこそ出せる声なのかもしれない。

 

 

 

あなたにとって理想の「大人女子」とは?また、大人女子に必要な要素は? 

 

フリーアナウンサー平山佐知子さん

他人にどう思われるかというよりも、自分がどう思うかを考えている人のことでしょうか。ワガママで我を通すという意味ではなく、自分カラーを持っていて、他人にいろいろ言われてもブレない「しなやかな強さ」を持っている人とも言えます。自分が強くなることで他人にも優しくなれますよね。そういう意味では「包容力がある」ということも、ひとつの要素かもしれません。その対局で大人男子とは、説明能力がある人だと思うんです。人生経験に裏打ちされた説得力、理屈ではない説得力を持った人、納得させるパワーがある人ですね。

私の場合、アナウンサーという仕事をしています。アドバイスや意見は吸収しつつ、言われたから変えるということではなく、ひとつの「核」「信念」を持って最後まで仕事をやり通すことを心掛けています。

 


 

 

理想の大人女子になるために、普段心掛けていること、やっていることは? 

 

 

フリーアナウンサー平山佐知子さん

男女問わず全ての人から尊敬されて、人間適魅力のある人は、理想ですよね。そして、「約束を守る」ことも大切。他人との約束ももちろんですが、自分との約束も。例えば、明日は車を洗おうと決めた場合、やらないことがストレスになるよりも、やってしまった方がスッキリしますよね?そういう小さな積み重ねで、面倒なことでも自分との約束を守るようにしています。さらに、自らを律したり、課題を与えられる人も理想像のひとつかもしれません。

アナウンサーという仕事は、与えられたニュースを読むだけでも大切な役割です。一から取材したものを伝えたいと思ったので、自主的に企画を立てて週に1本リポートを提出していました。自分が企画を立てて取材をし、報道する。ただやるだけではなく、能動的に仕事がしたいと思ったんです。報道目線ではない一般女性、一視聴者の視点を大切にして、お得情報や発見があるような企画を立てていました。でも、日常に特ダネのようなものはたくさんあるわけではないですし、上司の許可が下りなかったり等、週1本は結構なストレスにもなりました。自分の中だけで、「自分との約束」を作って、誰に褒められるわけでも、命令されたり強いられるものでもない、誰にもわからないことを守ってきました。「核」や「自信」が持てるようになるために、「自分との約束」を苦しくてもやり遂げるんです。

 

 

 

 

 

では平山さんの「核」とは? 


フリーアナウンサー平山佐知子さん

 私の場合は、言葉遣い。言葉はパワーがありますが、使い方次第で大きなダメージを与えてしまうこともあります。聞く人があたたかくなるような言葉を使いたいと思っています。
やさしくてあたたかい、品格のある言葉遣いをすることが「核」です。
そして、思いが伝えられるアナウンサーでありたいですね。
ただ読むのではなく、ニュアンスや思いを乗せて。
このお仕事は、技術ではなくハートだと私は思っています。

 

 

 

 

 

 

過去にやっていた習い事は?習い事で得られたことは何ですか?

 

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  子供の頃は、水泳や習字等、一般的に人気のあることをやっていました。大人になって言葉を仕事にしてからは言葉をキーワードに、スペイン語や英会話、児童文学作家さんに言葉を習ったりしています。10年程前、サッカーのW杯の時期だったと思うのですが、少し仕事に役立てたいという思いもあり、スペイン語を始めました。やってみると結構難しくて、インタビューするレベルには到底到達しませんでした(笑)。でも、ヨーロッパ旅行の時に現地の人と少し会話ができたり、交流の幅も人としての幅も広がったこ方が良かったなと思っています。交流がなかったスペインの人と交流ができたり、幅や人脈が広がったり、人に会うことで世界が変わったり等、習い事をすることでたくさんの変化が起きました。スペイン語を習っていなければ行かなかったであろう島に行ったり、見たことのない景色が見られたり、今まで自分の限られた範囲内で完結していたことが、もっと範囲が広がって大きくなりました。

講師としては、「コミュニケーション講座」等をしています。メールや画面ではなく、目と目を合わせたコミュニケーションをプロから見た視点でお願いしますということで、島田市では子ども達を対象に8回の講座を実施しました。最終目的は、受講した小中学生が地域の民話を読んでラジオ収録をすることだったのですが、群読して声を出す楽しみや、個性を出して読む楽しみ、息を合わせる大切さをお伝えできたような気がします。

 

 

 

 

理想の大人女子になるために、今後やってみたい習い事は?

フリーアナウンサー平山佐知子さん

 いろいろやってみたいことがあります。
ただ、やはり言葉がキーワードですね。
言葉に関するもの、例えば俳句や短歌も興味があります。言葉の枠が広がるものを習ってみたいですね。言葉は心の内情を表すものでもあるので、心理学もそのひとつ。児童文学作家さんの講座はもう一度受けてみたいですね。その方は80代の女性ですが、言葉も分からないのに世界各地の難民キャンプに行ったりしていた方です。言葉が伝わらない場所で、いろいろな言葉、無言の言葉や、言葉じゃない言葉で得たものを話してくれました。戦争の話になった時、戦跡があるだけでそこに人はいないのだけど、無言の言葉がそこには漂っていたり‥空間に言葉があるということを教えて下さいました。
言葉は発するだけではないですよね。
言葉はあたたかくも怖いもの。
自分を出し過ぎずに伝えたり、TPOにふさわしい言葉が使えるようになるための習い事もしてみたいです。

 

 

 

 

 

 

フリーアナウンサー平山佐知子さん

 


 

 

フリーアナウンサー平山佐知子さん
PROFILE

フリーアナウンサー 平山佐知子 さん

 

大手楽器メーカーでOLを経験後、モデルの世界へ。
その後、テレビ報道に興味を持ちNHK静岡の夕方の番組キャスターを14年続ける。
現在はフリーとなり、テレビラジオ出演の他、講演やイベントMCなど活動の幅を広げている。